肝臓病の診療に関して:小俣政男東大教授の御講演から

日記

記事が遅れてしまいましたが、去る7月29日金曜日の夕方、第10回君津木更津肝臓懇話会の「第10回記念特別講演会」特別講演演者として、肝臓病学の権威、小俣政男東京大学教授が木更津市で、「肝炎から肝癌の日常診療と最近の動向」と題して、御講演されました。

いつもながらの明快な御話でした。

C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療は発癌の抑制のみならず、肝臓の線維化も改善するので、基本的には進めるべきだと御話されました。
しかし、治療開始時期は年齢、肝線維化の程度(肝癌発現の危険度)に応じて、柔軟に考えるべきであることを強調されておりました。

治療法は、世界標準のペグインターフェロンとリバビリン併用療法を日本ももっと薦めるべきとの御指摘でした。

臨床的に患者さんに受けていただける新薬は、今後5-6年は出ないと明言され、期待されている経口抗ウイルス薬は当分の間、研究が続けられる状態との御話でした。

B型肝炎の診療については、従来からの御話通り、肝硬変を経ないで、慢性肝炎からも発癌する可能性があるので、画像診断がC型慢性肝炎に対して以上に大切だと注意を促しておりました。また、変異株でる確率が高いラミブジンの使用については、慎重なお考えを述べておられました。他の認可されたばかり(アデフォビル)、かまだ、認可されていない抗ウイルス薬への期待はされているようでした。

肝癌の診療についても、ラジオ波治療を軸に御話されておりましたが、後日、御報告させて頂きます。

熱い講演でありました。