コレステロールとうまく付き合うには 正常値でも「超悪玉」に注意(日経から)

2011年1月30日日記

日本経済新聞にコレステロールについてのわかりやすい記事が掲載されています。http://ow.ly/3Ktej

参考にして、健康に注意しましょう。

Akira Hayasaka Liver disease expert こんにちは。 千葉県 木更津市 はやさかクリニック 院長 肝臓専門医 早坂章です。

この記事の内容が皆様のお役にたてることを願っています。

途中で出てくる、脈波検査(PWV)や頸動脈エコー、sLDLの大体の様子は「はやさかクリニック」でも検査が受けられますよ。

血液中のコレステロールについて、個人差を重視して管理する考え方が広がってきた。

コレステロール値が正常でも安心できない「超悪玉」のコレステロールの存在も注目されている。

健康管理のうえでコレステロールとどう向き合ったらよいのか、探ってみた。

個人ごとに判断

動脈硬化の発症メカニズムについて説明する昭和大学の平野勉教授(東京都品川区)

個人ごとにコレステロールのリスクを見極めることは、健康管理でも重要になってきた。

例えば、血液中のコレステロールが動脈硬化をもたらし、狭心症や心筋梗塞のリスクを高める度合いは、男女の間でも大きな差があることが分かってきた。

昭和大学医学部糖尿病・代謝・内分泌内科の平野勉教授は「女性、とくに閉経前の女性の血管は女性ホルモンによって守られている。血液中のコレステロール値が非常に高い人でも動脈に全く異常が認められない場合がある」と話す。

逆にそれほどコレステロール値が高くないのに動脈硬化が進む場合もある。例えば、親兄弟が心臓病を患っている人、糖尿病や高血圧症などの人は動脈硬化のリスクが高いと考えられる。動脈硬化は症状が出ないうちに進むので、その兆候を早めに察知してコレステロール値の管理をすることが大切だ。

最近では、「頸(けい)動脈エコー検査」「脈波伝播(でんぱ)速度検査」など動脈硬化度を測定する検査が普及している。リスクが高いと考えられる人は一度検査を行い、医師と相談するといいだろう。

コレステロール管理の指標となるのは、広く知られている血液中のHDL、LDLコレステロールの値だ。

コレステロールは肝臓で作られるが、水に溶けないため血液中ではリポタンパク質という物質と結びついた粒になって運ばれる。

リポタンパク質にはLDLとHDLの2種類があり、コレステロールを血管や組織に運ぶのがLDL。余分なコレステロールを肝臓に戻す働きをしているのがHDLだ。動脈硬化は、血管の内膜にたまったコレステロールの塊が起こす病気なので、いわゆる「悪玉」と呼ばれるLDLが多すぎたり、「善玉」のHDLが少なすぎたりすることに注意が必要だ。

検査値には参考値が設けられているが、その読み方も変わってきた。LDLコレステロールの値は1デシリットル当たり140ミリグラム未満が望ましいとされているが、リスクの低い人では160までは許容範囲とされるようになった。

自己判断は禁物

ただし、自己判断は要注意だ。専門家は、コレステロール値だけでなく中性脂肪など他の検査結果とのバランスを重視する。専門家が注目したのは、LDLのなかでも粒のサイズが小さいsdLDLの存在だ。

sdLDLは、動脈硬化を進行しやすい「超悪玉」としての性質を持っているが、1つの粒が運んでいるコレステロール量は少ないため、数が多くてもLDLコレステロール値が正常になる場合があることが分かってきた。

平野教授は、sdLDLの量だけを測定する技術を開発し、血液中の中性脂肪の値が高いとLDLのサイズが小さくなってsdLDLに変わる傾向があることを明らかにしてきた。そのためLDLの値が正常内であっても中性脂肪も一緒に高めの人は、「超悪玉」の数が多くなる。