糖尿病コントロール後に自然に小さくなった肝細胞癌患者さんについての報告

日記

日本肝臓学会誌2012年3月号
日本肝臓学会誌2012年3月号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは、早坂章です。

日本肝臓学会誌2012年3月号(Vol.53 no.3)にこの記事タイトルの内容 「糖尿病コントロールごに自然退縮した肝細胞癌の1症例」という症例報告が掲載されておりました。

浅香山病院の山本 訓史先生らの報告です。

とても興味深い患者さんの報告です。

以下、要旨です。

症例は60歳代、男性。8年前に肝細胞癌に対し肝部分切除術が施行された。平成23年2月の精査で肝S4/8とS6に再発が認めれたため手術予定となった。糖尿病のコントロールが悪くHbA1cが8%台と長期間高値であったため術前にdi-peptidyl peptidase-IV(以下 DP-4)阻害薬内服によりコントロールを行った。DDP-4阻害薬内服前の腫瘍最大径はダイナミックCTでS4/8  が 5.0 cm、S6が2.5cmであったが、内服開始3週間後のダイナミックCTでは腫瘍最大径はS4/8が2.5cm、S6が2.0cmと縮小した。AFPとPIVKA-IIはDDP-4阻害薬内服後に著名に低下した。病理組織学検査で肝細胞内に著名なリンパ球浸潤を認め、免疫組織化学染色で浸潤リンパ球はCD8陽性T細胞であった。免疫応答が強く関与していると考えられる肝細胞癌自然退縮の1例を経験した。

 

こういう効果がどの患者にもおこれば素晴らしいですね。

 

 

千葉県木更津市 肝臓内科 消化器内科 内科

はやさかクリニック

院長 肝臓専門医 早坂章