インターフェロン、リバビリン、ARBを用いたカクテル療法はマウス肝線維化を抑制

 

こんにちは、肝臓専門医 早坂章です。

突然ですが、私の肝臓病研究の一番のテーマは肝硬変を治すことでした。

いろいろな薬が効果がないか検討していた時機もありました。

今回、読んでいた肝臓病情報では、

ふつうは高血圧の薬としてつかわれている、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)がインターフェロン・リバビリン併用療法に追加されると抗線維化薬の新しい目標となりそうだという、この10年、いわれ続けてきたことを動物実験で証明しています。

以下、引用和訳です。

 

 

 

””肝線維化を抑制する効果的な治療戦略を採用することで、慢性肝疾患患者の予後は改善する。抗線維化薬の開発が進められているが、ヒトの抗線維化薬として承認された薬剤はまだない。

代替治療戦略として、抗線維化作用を示し、臨床で使用可能で長期使用時の安全性が確立した薬剤が用いられることがある。

本研究の目的は、マウスの肝線維化に対して臨床で用いられているインターフェロン(IFN)、リバビリン(Rib)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を併用した場合の作用を明らかにすることである。

CCl4で誘導した肝線維症のモデルを用いてIFN、Rib、ARBの作用を評価した。CCl4を2週間投与した後にIFN、Rib、ARBを投与し、8週目に肝線維化指数を評価した。IFN、Rib、ARBを臨床用量と同等用量で単独で投与した場合には、α-平滑筋アクチン陽性細胞数と変異増殖因子β(TGF-β)mRNAの発現量が低下し、肝線維化は有意に抑制された。

また、肝血管新生は肝線維化を促すが、強力な血管新生因子である血管内皮増殖因子(VEGF)も著しく抑制された。

IFN、Rib、ARBのうちいずれか2剤の併用療法では単独療法よりも強力な抑制作用が得られ、さらに3剤のカクテル療法では2剤併用療法よりも強力な抑制作用が得られた。

in vitro研究では、活性化した肝星細胞の増殖とTGF-β mRNA発現、内皮細胞チューブ形成など同様の併用作用がみられた。

以上の検討から、臨床で用いられているIFN、Rib、ARBのカクテル併用療法は、肝線維化を抑制する新しい治療戦略となりうることが示された。」

日記

Posted by 早坂 章