エンテカビルとラミブジンの比較研究データ

2017年1月27日日記

日本でも今年中に認可されるといわれているB型慢性肝炎治療薬エンテカビルの臨床データがラミブジンとの比較試験の形で先週、米ブリストル・マイヤーズから発表されていました。

B型肝炎ウイルス抑制効果がエンテカビルの方がラミブジンよりも優れていることを示す96週間の2つの臨床試験の結果です。

ひとつはヌクレオシド系抗ウイルス薬未治療のHBe抗原陰性B型慢性肝炎の患者さんが対象で、最長96週間の治療後にHBVDNA量が検出限界未満に減少した患者さんの割合がエンテカビル治療を受けた方では94%、ラミブジン治療を受けた方は77%だったそうです。また、エンテカビル耐性はみられなかったとのことです。もう一つの研究結果はラミブジン耐性のあるHBe抗原陽性のB型慢性肝炎患者さんが対象で、やはり、最長96週間の治療後、HBVDNA量が検出限界未満に減少した患者さんの割合はエンテカビルに切り替えた患者さんでは30%に達したのに対して、ラミブジン継続患者さんでは、1%未満だったそうです。エンテカビル耐性によるリバウンドが9%の患者さんに見られたそうですが、エンテカビル治療前からラミブジン耐性をおこしていた患者さんからであったようです。

これらの結果から判断すると、抗ウイルス療法が必要な患者さんは最初からエンテカビルによる治療を受けていただくのが良いようです。

更に知りたいのは、日本でいつごろ、認可されるのか? また価格は?、ということです。ゼフィックス(ラミブジン)もヘプセラ(アデフォビル)も高価ですから、患者さんの経済的負担が大変です。おそらく、エンテカビルも同じように高いのだろうと思います。内服し続ける治療ですから、価格は大切だと思います。